山滴るやましたた、夏の別邸仙寿庵レポート(施設編)

体験レポート

「別邸仙寿庵(べっていせんじゅあん)」(群馬県・みなかみ町)

「若い頃と違って、物欲もなくなったし、
最近は、初めての体験をするためにお金を使うことが多いんです」と、20年以上家族全員お世話になっている美容師のNさんから聞いた。
彼女は、今年になってから多忙な仕事の合間をぬい、
長岡花火大会、尾瀬ハイキング、職人に和菓子作りを習うなど、立て続けに初体験を重ねた。
私の心に、尾を引く星が落ちてきて、それはキラキラと輝き始めた。

そうだ、いつまでもあると思うな人生。
やりたかった事は、この夏やろう!

やっちゃおう!!

そして、私は谷川岳に登った。凄い体験になった。
次に着手すべきは、あれだ。
あこがれの宿に泊まること!
老後の楽しみに取っておこうと思っていたけど、老後は老後に考えればいいや…(^-^;)
(↓たしか、Hotels.com の10泊するともらえる1泊ボーナスも貯まっていたはず…)

普段なら、私の旅の目的は、町並みや文化や人を体験することであり、
宿は、休息し散策に出ていく拠点に過ぎない。
そこそこ快適性さえあれば十分で、
宿そのものを満喫しようとは思いもしなかった(人、それを節約とも言う)。
そう、今の今までは…。でも今回は、

いざ行かん!
『宿に泊まるための旅』!!

谷川岳の帰り、宿泊先に選んだのは、群馬県みなかみ町にある「別邸仙寿庵べっていせんじゅあん」。
ルレ・エ・シャトー(フランス発祥の厳格な審査をクリアしたホテル・レストランのみが加盟できる、世界的権威をもつ会員組織)に認められた、日本で11しかない宿のひとつだ(@_@)

1000坪もの建物内に、客室わずか18。
すべての部屋に、露天風呂が付く。
宿泊予約が取れないことでも有名で、
私が確認した7月には、来年1月まで満室…orz
しかし、どうしても諦めきれない私は、予約サイトを毎日チェックし続けた。
すると奇跡的に、宿泊したかった洋室に、2連泊の空室が出現したのだ!
こうして、別邸仙寿庵の扉が開いた。

庭門から少し離れた駐車場に、車を停めていると、どこからともなく「いらっしゃいませ。」とスタッフの方が出迎えに。
こんなところから、お客様を大事にする、
細やかな心配りが始まっているのね(*´∀`*)

曲面廊下。写真ではみたことがあったが、実物は想像以上に迫力のある空間だった。
天井高は8m! 地元群馬の土を使用したスサ入り京土壁には、川原信子さんによるカリグラフィーアートの不思議な紋様が浮き出す。

広々とした庭園を一望できて、気持ちがいい。
手前の水槽には、スタッフの方がお世話しているイモリとナナフシ。
夏休みを過ごしに来ている子供たち、そして私が、楽しませてもらう😊

チェックインが13時というのも嬉しい。
ウェルカムドリンクとウェルカム甘味に、ひとしきり癒される。

お茶を頂きながら、広々としたお庭を眺む。
芝生をつつくキジバトさえも、こころなしか気品に溢れて見えてくる。

あれ?あの奥に見える山は…

雄大な谷川岳も一望。
今朝は、私あそこに居たのね…
(谷川岳登頂の様子は『主婦、谷川岳に挑む』でどうぞ…)

そして、お部屋 へ ٩(ˊᗜˋ*)و
宿泊するのは「101号室 りんどう(露天風呂付洋室)」。
和室が多い仙寿庵ですが、洋室のほうが落ち着くため、18室中、唯一の洋室(67㎡)を選んだ。


大理石の床や、職人の技術の高さがうかがえる組子障子、モダンにライトアップされる光障子。
随所に意匠へのこだわりが感じられます。

枕の種類(硬さ、高さ、素材)の希望のチェックシートが置かれており、
(和室は敷布団も選択可能)。
冷蔵庫の中のドリンク(水、お茶、アルコール)もすべてフリー(無料なのは洋室だけのよう。なぜかな??)
美味しいウェルカム佃煮?もテーブルに用意されていて感動する。
夕食から戻ると、蒸篭に入ったおこわおにぎりが夜食としてそっと置かれ、冷蔵庫にはデラウェアも入っていた。まさに至れりつくせり。
部屋を見るだけで、きめ細やかな気遣いに満ち溢れているのでした。・:*:・(*´∀`*)

そして、客室露天風呂!(厳密にいうと半露天? 窓は全開にできます)
源泉かけ流しの部屋風呂が付いている宿は、人生2度目。
(1度目もじつは最近なんだけど)
気兼ねすることなくいつでも露天風呂に入れる贅沢を、庶民、初めて知る。

小鳥や晩蝉ひぐらしの声、谷川のせせらぎを聞きながら、贅沢な入浴を楽しむ。
紅葉の時期、雪見風呂など、別邸仙寿庵はむしろ秋冬が人気らしい。
きっとそれも良いのだろうが、夏山の変わりやすい天気もとても良かった。
露天風呂からながめると、土砂降りの雨と雷さえ、
風情あるものと感じられて素敵だったから。

大浴場もあったけれど、私たちは部屋風呂だけで大満足でした。

夕方、庭園の散策へ。
ベンチで休憩をしたり、
木々に囲まれた「読書ルーム」に立ち寄ったり。

ここは「ガーデンテラス」(営業時間…13:00~16:00)
カウンターに座って、冷蔵庫の冷えた飲み物を自由にいただける。
季節によって、地元の果物や野菜も用意されているとのことで…
今日はよく冷えたきゅうり! 
木のベンチに腰掛けて、お味噌を付けて頂く。
したたような緑の夏山を眺めながら、無邪気にきゅうりをかじったりして楽しみました。

「食事編」へ続く…

別邸仙寿庵(べっていせんじゅあん)
群馬県利根郡みなかみ町谷川614
TEL: 0278-20-4141
https://www.senjyuan.jp