「梅香(メイシャン)」(東京・新宿区神楽坂)
食事ができる場所を探していると尋ねると、四川の小さな村の住人たちは、
口々に「梅林の向こうに行ってみるといい」と教えてくれた。
梅の香を頼りに、霧の小道を歩いていくと、丘の麓に小さな一軒家が見えてきた。
きっとあれが、姉妹が営む「梅香(メイシャン)」だ。
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…なんてね。
つい、妄想が炸裂してしまったけれど、
実際の四川料理「梅香」は、ここ東京、牛込神楽坂にある。
なにからなにまで食べたくなって、結局3日連続で来てしまった。
※姉妹お二人で営むお店なのは本当です。
お姉さんがお一人で厨房を担当、妹さんがホールを担当されています。
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12時オープンの15分過ぎに到着すると、予約で満席の看板!
予約していてよかったと胸をなでおろす。
18人で満席の店内は、すでに老若男女が食事中。
女性のひとり客もちらほら。
梅香にはランチ定食はない。
昼も夜もメニューは同じ。アラカルトかコースのみだ。
どれも美味しいのでひとりで来るとツラいかもしれない。
3、4品頼んで誰かとシェアするのがベストだと思う。
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「牛スネとハチノスの冷菜」(1650円)
花山椒と胡椒、ごま油と極薄のハチノス、牛スネ、そしてピーナッツの相性の妙。
研ぎ澄ました味覚で味わいたくなるので、自然と無言になってしまう。
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「エビの青山椒ソース」(1980円)
翡翠ソースと勝手によんでいるのだけれど、この味は見た目からは想像できない。
塩味ベースのあっさり青山椒ソース、プリプリのエビ、しめじ、アスパラ。
また無言で、ただただ味の細道にひとり分け入って行く。しあわせ。
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「冷製 冬瓜の干しえび蒸し」(1100円)
澄みわたったスープに浮かぶ冬瓜の向こうに、水墨画の世界を見た…繊細かつ奥深い冷菜。
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「汁なし坦々麺」(1540円)
写真は2分の1サイズ。
店内でも注文者続出の名物メニューのようだ。
上品な松の実と中国山椒「花椒」の香り、繊細なひき肉と香辛料の旨味にしびれる。
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「四川名物 よだれ鶏」(1650円)
見た目の辛みはどこへやら。実際は鶏出汁と胡麻油、肉の旨味いっぱいのさらりとした一皿。
そんじょそこらのよだれ鶏ではない。
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「トマト卵炒め」(1320円)
四川省のお母さんは、きっと子供のためにこんな料理をつくってくれるに違いないと想像させるやさしい一皿。
たまごの絶妙なまとまり感、トマトの甘さ、出汁のうまみのハーモニー。
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「陳麻婆豆腐」(1540円)
ピリッとした「花椒」に、またもや無言。
ほどよい辛さにごはんが進む。(要白ごはん!)
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「黒酢の酢豚」(1650円)
アンビリーバブル! 生まれてから食べた酢豚の中で、いちばん美味しい…
具材は肉のみの潔さ。チャーハンのベストフレンド。
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「蟹チャーハン」(1320円)
変哲のない見た目だけれど…
無限に食べられます。
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「杏仁豆腐」(550円)
花椒で痺れたあとのオアシス。
シャインマスカットがこんなにふんだんに…!
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「マンゴープリン」(660円)
またも遭遇のマイ・ベスト・マンゴープリン・エバー! 金色のマンゴー海にうかぶ雪山はヨーグルト。
ヨーグルトに驚き、一口食べてからはそれが当然と感じ始める自分に2度驚く。
料理人の描いた味の設計図に舌を巻く。
いままで中華料理のシメは杏仁豆腐一択だったけれど、
梅香ではマンゴープリンにするとひそかに決める。
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姉妹お二人きりの家庭的で優しいお店。
丁寧で、繊細。
まるで洗いあがりのリネンや、大切に使われてきた白磁の器のよう。
こんな印象を中華料理店に感じたのははじめて。
ああ、今日も有り難かった…
すべての料理が美味しかった。
来週また来るなこれは。
中国四川料理 梅香 (メイシャン)
東京都新宿区横寺町37-39 中嶋第一ビル1F
電話:03-3260-2658
定休日:月曜・火曜
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梅香からの帰り道、斜向かいのアルパカの専門店に寄る。
八ヶ岳アルパカ牧場のアンテナショップらしい。
セーターやらアルパカの毛で作られた製品がこれでもかと並んでいた。
可愛くやわらかなアルパカの塔!
実は我が家にもひとりアルパカちゃんがいるのだが、
どこよりもお値ごろプライスで「次のアルパカはここで買うべき」と学ぶ。
ALPACA HOUSE kagurazaka
東京都新宿区岩戸町19一五屋ビル101
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梅香であれだけお腹いっぱいになっておきながら、
神楽坂の「紀の善」を素通りできず。
なんてこった…
「冷やし白玉」(961円)を頂きました。
紀の善
東京都新宿区神楽坂1丁目12 紀の善ビル
電話:03-3269-2920
定休日:月曜