「兆楽(ちょうらく)」(東京・渋谷)
結構いい大人になってから、行列ができる中華料理店の厨房で働かせてもらったことがある。
朝9時から仕込みに入って、ランチタイム終了の16時まで、水を飲むのが精一杯。その間に300個ゆで卵をむき、5kgのお米を5回炊き、野菜の運搬、麺の盛り付け、デザートの蒸しパンを焼き、300食近い定食のお味噌汁とご飯を出し、合間を縫って皿洗いをする。それが私の主な仕事だったが、息つく暇なく働いてもちっとも時間が過ぎなかった。忙しいと時間が飛ぶように過ぎる経験しかしてこなかった私は、その無限ループにたまげた。
「ここに慣れたら、どこ行っても通用するよ」と言われたけれど、渋谷の兆楽はそのときの戦闘力?を使っても、ギリギリかも…と思う。
渋谷のセンター街近くの兆楽は、いつも大賑わい。近隣にお勤めのおじさま、渋谷に遊びに来ている若人たち、ひとりで食べに来ているOLさん…老若男女が集まる。でもひっきりなしのお客さんは不思議と行列するでもなく、テトリスのように空いた席に、次から次におさまっていく。
ええと、ええと…今日はなにに…
ええい! メニューが多いな!! (゚Д゚;;;)
週替わりでサービスメニューもあるようだ。
迷い迷って、私は「肉ニラ炒め」夫は「豚しょうが焼き」、隣にほぼ同時に座ったお兄さんも「肉ニラ」と中国人スタッフのお姉さんに伝えたところ…
「ぶたしょうが〜!
肉ニラ〜りゃ〜ん!!」
マスク対策も万全のお姉さんのすごい大声が響き渡る。その後も、どんどん注文を叫ぶお姉さん。
その声に厨房のおじさんたちの「あいよ」「あいよ」の声が続く。同時に厨房から上がってくる料理も続々。
華麗なるチームプレーでどんどん注文を捌いていく。店内のお客さんのほか、電話のお弁当注文もひっきりなし…。
ものの5分ほどで「肉ニラ炒めライス」880円到着! これにスープとごはんがつきます。
手早く強い火力で作った、もやしシャキシャキの想像通りのお味。お腹が空いていたから美味しい!
いくらでも食べれそう。
「豚しょうが焼きライス」880円。こちらもほどよくボリューミーで飽きのこない、庶民の味方。
ササッと、でもお肉食べたい!お昼休みにぴったりの定食。
怒涛のように美味しくいただく。帰りに看板を見ながら、次来るときはこれ食べようかなと振り返る魅力がある。
渋谷で40年以上も続いている兆楽。私が大学生のときもあった気がする…。
そういえばお店の雰囲気も料理も、元気だからこそ来られるお店。まるで健康のバロメーターみたい。
お店を出る時も、次から次へお客さんがひっきりなしだった。
この調子で閉店の時間が夜3時!? 店で働く皆さんの日々やりきった感は、察するに余りあり…。
私は半年が限界でしたorz…
今日もごちそうさまでした。渋谷で満腹になりたくなったら、また来ます!
兆楽(ちょうらく)
東京都渋谷区宇田川町31−5
03-3461-6400
営業時間 11:30〜翌3:00
定休日なし