台湾カルチャーワンダーランド

日本橋

「富錦樹台菜香檳(フージンツリー)」(東京・日本橋コレド室町テラス)

最近のマイブームは、日本橋コレド室町テラス2階。
ついつい長居をしてしまう、台湾発の複合施設「誠品生活日本橋」がある。

「誠品生活日本橋」は、人文とアート関係の専門店としてスタートした台湾発の大型総合書店チェーン「誠品書店」の日本一号店。本のみならず、台湾発の文房具店やレストラン、カフェなどが集まり、台湾の最新カルチャーが味わえる。

長〜い廊下の左右に並ぶさまざまなジャンルの本を眺めているだけでも、とにかく楽しい。
本のセレクトも新鮮で、ふとした発見がある。座って本を読めるスペースがあるのもいい。
内なる興味の扉が開かれて、買う予定のなかった本をつい買ってしまうのだ。

こちらは台湾の料理本とともに、食品や調味料、どこか懐かしい雑貨が並んでいるコーナー「誠品生活市集」。見たことない台湾の品々を見つけるたび、好奇心が刺激されキョロキョロ…とても忙しいのだ。

例えばこれ。台湾の方が見たら懐かしいの?
これでもかと並ぶ「老媽拌麵(ラオマバンメン)」。台湾ナンバーワンの汁なしまぜそばらしい。見知らぬ女性がニッコリ微笑むパッケージをじっとみていると不思議な気持ちになってくる。

どこかノスタルジックなデザインの台湾家電「大同電鍋」。一台で、蒸す、炊く、煮るが可能な万能調理器具で、台湾では一家に一台あるほど、かなりポピュラーな存在だそう。
そういえば、戦後の「家電の三種の神器」ってこんな感じじゃないだろうか。
「ねえ、そこのあなた。こんな家電があなたの生活にあったら楽しいんじゃない?」と語りかけている気がする。高度経済成長期最中の新妻のような気持ちになり、危うく欲しくなりかける。

今度は飲み物…かな?
見慣れないパッケージをじ〜っと見ていると、次第に脳が「あれ旅行に来てたっけ?」と錯覚し始める。そうそう、ここは日本。だけどかなり、台湾なのだ。

そうこうしているうちにランチタイムになり、同フロアにある台湾レストラン「富錦樹台菜香檳(フージンツリー)」に行くことにした。
土日はたいてい行列の人気店だが、平日は比較的すいていて狙い目。

テラス席が人気の、広々とした店内。
洗練された台湾料理をシャンパンと楽しめるお店として、2014年に台北の富錦街に創業したレストランだそうだ。ホスピタリティにあふれた接客が印象的。これも台湾スタイル?

ちょっと奮発して、何を頼んでいいか分からない…人にも安心 (^-^;)のテイスティングコースを頼むことにする。

メニューの詳細は知らぬまま、前菜の3種盛りが登場。スタッフが一品一品丁寧に説明をしてくれる。
左から、菜花ときのこ・クコの実のピーナッツ和え、ピータンと卵黄が入ったゼリー寄せ、そして豆腐干絲と呼ばれる麺状の豆腐はピリっとスパイシー。どれもちょっとづつ…が楽しい。

どこか懐かしく、そして美味しいスープ。レシピが知りたい!

次は「水蓮菜と木の実いため」と「台湾揚げ出し豆腐」。

木の実…とはなんぞ?食べたことのない食材で、塩漬けのオリーブの実といった印象。塩味は強め。
歯応えのシャリシャリとした水蓮菜、鶏肉、そして塩味の強い木の実のコンビンネーションが絶妙だった。

揚げ出し豆腐は、ふわとろのとろける食感。プリンのような食感の正体は玉子豆腐!
豆豉の甘さとコクのあるとろみのタレでアツアツを楽しむ。これも美味しい。


手前は「清炒蛤仔」。アサリとバジルの辣椒醬炒めで、バジルの香りと貝の旨味が絶妙。
面白い名前の「松花蒼蠅頭」(奥)は、花ニラとピータン、豚挽肉のピリ辛炒め。
濃いめのオイスターソースでうまくまとめられていて、家で真似して作ってみたくなる味だ。

どちらもご飯に合う濃いめの味付け。もちもちの赤米ごはんで、食がすすむ…(^-^;)

今度は「豚バラ肉の角煮 ナツメとハイビスカスソース」は、ナツメの上品な甘みの角煮。
美味しいけれど、脂身が私には少しトゥーマッチかな。

デザートは「台湾産青マンゴー氷」がデフォルト。追加料金で、ほかのデザートに変更も可能だった。
「梅の実?」と思うような歯応えと酸味の青マンゴーとレモンジュースのような爽やかな氷のコンビネーション。

これは別にお願いした「富錦樹豆花」。
甘い蜜のかき氷と白木耳やピーナッツ、小豆、はとむぎ、ユーエン(芋団子)…美味しいデザートだった。お腹いっぱいでも、これだけは食べられる人体の不思議… 。

富錦樹台菜香檳(フージンツリー)
東京都中央区日本橋室町3-2-1 COREDO室町テラス 2階
Tel:03-6262-5611
月~日・祝日 11時~21時(ラストオーダー:20時)

海外旅行にはなかなか行けないご時世だけど、「誠品生活日本橋」に来ると、まるで台湾旅行の気分にひたれる。
大好きな「猿田彦珈琲店」もあるしで、ついついまた来てしまう。
ごちそうさまでした。