創業60年の焼き鳥店の丼と、裕ちゃんのガルウイング

丸の内・銀座

葡萄屋@銀座

サンドイッチマンの冷たいものカロリーゼロ説ではないが、
この店のとりめしはコレステロールゼロに違いないと睨んでいる…ってくらい、
ヘルシーで、かつ食べると体に滋養が染ぃ〜みぃ〜渡ぁるぅ〜鶏料理の店がある。

私の祖母はいつも「嫌いな食べ物のある人は最初に食べたものが不味かったから」と言い続けていたけれど、
その話が本当なら、レバー嫌いな人は葡萄屋のレバーを最初に食べていたなら、
今ごろは絶対レバーが好物だったに違いないと思うくらい美味しい。
現に、レバー嫌いの友人を連れて行ったら「ここのレバーは食べられる!」と感動して
彼女のレバーの概念を書き換えたほどだ。
(ちなみに、本当にレバーが無理な人は注文時「レバ抜き」と言えば、
レバーを焼き鳥に変更もしてくれる。)

おすすめは「とりめし」1200円。
温かいご飯のうえに焼きとり(レバー、ボン、つくね)、山菜、煎り玉子がのった葡萄屋特製の贅沢な丼なり。
(小鉢、お味噌汁付き。丼の大盛は150円増し)

とにかくすべてが「絶妙」。
炭火で焼いた火の通り具合、塩&たれ加減、肉の新鮮さ…これは絶対に家では再現できないプロの味。
私はレバーとボンが特に好き。
レバーは中央部分まで火が通るか通らないかという絶妙さなのに、
柔らかく、あっさりとしていてその上、生臭さはゼロ!
優しい甘さと旨味だけが口に広がる。私はこんなレバーをよそで食べたことない。
それとボン。これはボンジリ(鶏の尻尾にあたる部分の肉で、わずかしか取れない希少部位)のこと?
とにかく弾力があって旨味、脂(でも実にさわやかだ)が半端ない。
山菜や煎り卵も名脇役。
お味噌汁やお新香、生パイナップルとオレンジの小さなフルーツ皿、
以前はついてこなかったひじきも今日はついていた。
とにかくすべてが大人。はあー大人になって良かった!と心から言葉を発したい気持ちになる。
これは大人が癒される食べ物だ。

「ここは大人が疲れをいやしに来る葡萄屋なんだよ」
と思わず、千と千尋風に言いたくなるのだった。

夜はにぎわいを見せるであろう店内。
テーブルやカウンターにも味わいがある、落ち着いた雰囲気がとてもいい。
目の前で焼いてくれる焼き鳥も美味しいんだろうな。
使われている焼き物のお皿、インテリア、什器に、選び抜いたオーナーの視線を感じる。


はじめてこの暖簾をくぐったのはかれこれ20年前。はあ…美味しかった。
今日もまた元気に満たされて、帰ります。
今日もごちそうさまでした!

葡萄屋 銀座店

住所  東京都中央区銀座西2-2(銀座インズ2 地下1階)

帰りに通った銀座松屋の1階正面口玄関前には、
石原裕次郎の愛車メルセデス・ベンツ300SLガルウイングが展示されていた。
写真を撮る人だかりができていた。
車のことは詳しくないけれど、昔のメルセデスのフォルム。美しい。

全国縦断「石原裕次郎の軌跡」展は9月3日(月)まで松屋でやっているそうです。