天知ル、地知ル、コメシルナ

青山・表参道

「カマド食堂車 米汁菜(コメシルナ)」(東京・青山ファーマーズマーケット)

このコメシルナという不思議な店名を見ていると、
天知ル、地知ル、コメシルナ…と造語を作っちゃう。
不思議な音よね…。

米汁菜(コメシルナ)は、車の中に薪かまどをつくちゃったお兄さんが、
おいしい燻製した肉や半熟卵、野菜のスープ、釜たきごはんを食べさせてくれるキッチンカー。
青山の国連大学の広場で週末開かれる青山ファーマーズマーケットで、ほぼ毎週出店している、
イチオシのお店だ。
気がつけば、もう10年以上通っている気が…


とにかくいついっても人気。
まず、列に並ぼう。だいたいこれは避けられない。
あきらめて途中で去っていく人もいるレベルだが、諦めてはいけない!
ぜひがんばって並ぶべし。


美味しそうな燻製の香りとぶらさがるお肉たち。
お兄さんが車の中で、カマドやバーナーと格闘しながら懸命に働いているのが見える。
これ真夏はすごいキツイはず…。 がんばってー!お兄さん。

米汁菜の食べ物は、とにかく体によい味がする。
ホームページにも「本能や直感でウマイと感じるゴハン」を提供すべく日々格闘していると書いてあるけれど、量よりも品質や育て方にこだわった生産者から作った食材で、
自然の力(薪火、炭火)で自然の力が堪能できるものを作っているらしい。

行列に並んでいるうちに、用意されている紙に注文を書く。
ワンオペで色々大変なので、細かく記入しよう。
組み合わせがいろいろできたりして、けっこう複雑…

私のおすすめは「おむすびセット」(炙り卵+ローストポーク+焼むすび)790円と、
鶏ガラ野菜スープハーフ310円をプラス。
もっとお肉が食べたい人は、おむすびセットBやCを頼むと30%増し80%増しなのでおすすめ。

お兄さんはいつもいっぱいいっぱいなので、
順番が来て「何になさいますか?」と聞かれたら、はじめて紙を渡す。
(そうじゃないと、受け取れない…)


この厳しい表情…
お兄さんはいつも一生懸命だ。

そして注文書を渡したら、車の反対側のレジに回る。
ここまで来ればあとは結構早い。 料理ができるまで、しばし待機。
車の下にくつが脱いである…可笑しい。

じゃーん! ついに受け取ってまいりました。
地味な見た目以上の美味しさです。とにかく「滋養」の味がする。
卵もお肉も野菜も、スープも。
思わず無言になる味わい。素材の味を、舌が追い求める感じ。
美味しいな〜としみじみと思う。

いつも来る私の顔を覚えてくれているのかレジで、
「おにぎり、味噌の味変えてみたんです。ちょっと試してみてください!」と言われたけれど…
お兄さん、ゴメン。正直違いはよくわからない。

ただ、今日のもとても美味しいです(笑)

そういえば、「天知る、地知る、我知る、人知る」(=他人は知るまいと思っても、天地の神々も、それをするあなたも知っている。悪事は必ずいつかは露見するものだの意)という故事があるけれど、それとは全く逆のことをお兄さんを見て思っていた。
これだけ手間を惜しまずに料理を作っていること、ぜったい天は見ていますよ!と言いたくなる。
体がよろこぶ料理を私たちにとどけてくれることに、感謝せずにはいられないのだ!

天井低くて狭い車内のカマドと格闘しながら、忙しそうに汗をかきかき働くお兄さんに
「美味しかったです」と声をかけると、厳しい顔から一転、
「いつもありがとうございます〜」と車からニコッと顔を出してくれた。
ごちそうさまでした!


そしてこちらは、帰りに寄った山形県の「果樹園 白雲」さんのお店。
果樹園で採れたフルーツでジュースを作っているんだそう。
ラ・フランスのジュースを1本買ってのんだが、たまげるほど美味しかった。
果汁だけのジュースの、なんと贅沢なこと!
それにしても生産者の人と直接話しを聞いてものを買うって、東京だと貴重な体験。
より一層美味しく感じる。

彼は東京での仕事を辞めて、山形に移り住んだんだそうだ。
農業という新しい仕事に魅せられて、頑張っている様子がとても眩しかった。
夢に向かう人は美しい。
お兄さん、すてきなお話と写真も撮らせてくれてありがとう!

久しぶりの青山ファーマーズマーケット。
また気持ちの良い天気の日に、来たいものです。

渋谷区神宮前5−53−70
青山・国連大学前広場